クリエイションの現場から
古くからの名残で「三備」と呼ばれる一帯は、
数百年続く歴史の中で 糸から生地、製品までを
多く生み出す国内有数の繊維産地を形成してきました。
豊かな感性と、熟達した技能。 ものづくりの現場には、
こだわり抜いた製品を追い求める 作り手の姿がありました。
倉敷市
KURASHIKI歴史・技術・感性が融合する繊維のまち
和と洋が織りなす、美しい街並みの倉敷市。その歴史は今から400年程前に瀬戸内海を干拓し、塩分に強い綿花を植えたことに始まります。
真田紐や足袋をルーツに発展し、現在は学生服やジーンズ、オフィス・ワークウェア、帆布、畳縁など多彩な繊維製品を生産。年間出荷額は約981億円と、市区町村別国内第1位を誇ります。
倉敷市の繊維産業発展のストーリーは、日本の文化・伝統を語るものとして文化庁の「日本遺産」に認定されており、その発展の歴史の中で和と洋を融合しながら形成された倉敷美観地区や「国産ジーンズ発祥の地」である児島地区等には年間336万人もの人(令和4年値)が訪れ、日本有数の観光地としても知られています。
三備産地
SANBI-AREA江戸時代から受け継がれるものづくりの技能
日本有数の繊維産地として知られる三備産地(備前・備中・備後)は、いずれも江戸時代中期の綿栽培を起源とします。備前は、倉敷市児島を中心に、真田紐から足袋の生産へと発展し、現在の学生服・ジーンズ・ユニフォームの産地へ。備中(現在の井原市)は、藍染綿織物から、デニム生地の産地へ。備後(現在の福山市)は、備後絣(着物など)の技術を活かし、ワーキングウェアの産地へ。
先人たちが培ったものづくりの技能は今に受け継がれ、織物から染色、アパレルまで、多彩な繊維製品を一貫して生産できる一大産地を形成しています。 また備前から備中にまたがる高梁川流域と呼ばれるエリアでは、地域内の市町で連携して経済成長に繋がる活動に取り組んでいます。